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中世の高名な錬金術師アウレオルス＝ベリ直系の子孫で、錬金術の象徴である生命の本質的要素「アゾート」を受け継いでいたことから、ベリ城に住む「異常な人々」に命を狙われることになる。
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デビ以外の追跡者たちは皆それぞれの思惑の元、フィオナの「アゾート」を手に入れることを目的にフィオナを捕らえようと躍起になっている。
フィオナ自身はゲーム終盤まで自身に秘められた「アゾート」なるものの存在は全く知らず、何ゆえ自分は追い回されているのかを知らない。
元々ベリの家系がクローニングを続け来た理由っていうのが、初代アウレオルス＝ベリが不死を実現しようとしたことに始まっている。
アゾートなるものに自らの意思と記憶を封じ込めて、それをクローンたちに植え付けていく。
それを繰り返すことによって時代を越えて生き続けようとしたのが、アウレオルス＝ベリの言う不死ということなんだろう。
つまり外見は変わってしまっても、そこに刻まれているアゾートは代々受け継がれているものだから、外側の殻（ホムンクルス）が変わってしまっても、それはアウレオルス＝ベリ本人だと言える事ができるのかな。
そう考えれば、ロレンツォだってウーゴだってアウレオルス＝ベリ本人だってことだよな。
ロレンツォが１３代目で、フィオナの父ウーゴが１４代目だから、普通に考えればフィオナは１５代目アウレオルス＝ベリってことになるわけだ。
ここで問題になるのはアゾートの受け継ぎ方だ。
公式見解によると、ホムンクルスというものにアゾートを注入することによってクローニングが完成するとなっている。
簡単に言えば、ホムンクルスをマネキンと考えて、そこに魂（アゾート）を注入することによって、ちゃんと意思をもった人間（クローン）が出来上がるということか。
ゲーム二周目以降でリカルドが死亡したあと、ロレンツォがその口からアゾートを吸い出しているムービーが見れる。
やはりアゾートというものは何らかの技術によって、植え付けたり吸い出したりができるものだってことだな。
んじゃあ、フィオナにはどのようにしてアゾートが継承されたんだろうか？
フィオナの父ウーゴにしても、その代わりに作られたリカルドにしても、ロレンツォがアゾートを注入することによって作られたはずだ。
そう。
アゾートってのは人為的に抽出と注入をしてやらなければ、その意味を持たないはずなんだよ。
フィオナにはアゾートの注入が行われたんだろうか？
行われたとしたら誰のアゾートを抽出して注入されたんだろう？
普通に考えれば父であるウーゴってことになるんだろうけど、もしそうだとしたらウーゴがベリ城を出奔した意味がなくなるわけだからね。
娘のフィオナにベリ家の宿命を背負わせるようなことするわけないはずだし。
となれば、フィオナには生まれたときから既にベリのアゾートが継承されていたってことか？
クローン人間であるウーゴと普通の人間であるエイラ。
この二人が自然に交配したことによって、そのままアゾートがフィオナに受け継がれるんだとしたら、ベリ家が今まで繰り返していたクローニングってまるで無意味なものになるんじゃないの？
わざわざアゾートの抽出注入を人為的にしなくても、普通の交配によって自然に引き継がれるってことなんだから。
アゾートが受け継がれていた証拠がフィオナの左肩に刻まれた紋様なんだろうね。
父親のウーゴは生まれてきた娘にこの紋様が刻まれていたのを見て愕然としたんじゃないだろうか？
ベリ家の忌まわしき風習が愛娘にもきっちり継承されてしまってたわけなんだから。
そのときウーゴは一つの覚悟をしたのかもしれないな。
いずれロレンツォたちベリ家の人たちがフィオナを奪いに来るかもしれないって。
それならばなお更ベリ城の近くに行くなんてことウーゴにはしたくなかったことだろうな。
結果的にフィオナにはアウレオルス＝ベリのアゾートが受け継がれていたとして、じゃあフィオナには何故アウレオルス＝ベリの記憶が存在してないんだってことになるぞ。
アウレオルスのアゾートを引き継ぐってことは、いずれ新たなクローンを作る必要が出来るってことだ。
それなのにアウレオルスの記憶がなくなってしまってたらクローニングは行われず、その代でアウレオルスの不死は途切れてしまうことになるじゃあないか。
アウレオルス＝ベリのアゾートが引き継がれるってことは、クローニング技術も当然その中に含まれているはずで、ロレンツォはもちろんだがウーゴにだってその気になればクローンを作ることはできたんだと思う。
だからウーゴにだってフィオナへのアゾート注入という作業はできたはず。
でも上に述べたような理由から、ウーゴはそれをしなかっただろうと予想される。
だがしかし、リカルドにしてもロレンツォにしても具体的な確認を行っていないにも関わらず、盲目的にフィオナにはアゾートが受け継がれているものと決め込んでいる。
同じアゾートを共有するものとして本能的にそれを感じ取ることができてたからかもしれないけど。
これらの事実から考えて、アゾートってのは人為的な取り出しと埋め込み以外にも、普通の交配によっても引き継がれることがわかった。
ただし、後者の場合はアゾート自体が持つ情報は不完全なものになってしまうのではないだろうか。
フィオナがこれにあたるわけで、基本的なアゾートは継承されていたが、細かな情報やら記憶やらは引き継がれていなかったと。
結果的にこれだとクローニングとしては不完全なわけで、アウレオルスの望む不死というものにはたどり着いていないわけだ。
やはりクローニングは人為的な技術によるアゾートの取扱が必要だってことだな。
こう考えるとロレンツォやリカルドが欲しがったフィオナのアゾートは、今後のクローニングに不足しているアゾートを補う分として欲しかったってことになんのかね。
リカルドの場合はフィオナを目の当たりにしてその方向性が変わってしまったわけだけど。
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